AI検索の露出度の計測方法
2025年は、Google検索結果におけるAIO(AIによる概要)の登場により、自然検索からの流入が大きく減少した。企業向けにWebサイトのSEO対策とそのパフォーマンスを定点観測している弊社にとっても、これは大きな衝撃だった。
目下の課題は、今後増えていくAI検索経由の流入をどのように分析し、対策していくかという点である。実際にクライアントからも、AI検索における露出度の計測方法について相談を受けているため、一つの方法を紹介したい。
本記事では、長年愛用しているahrefs(エイチレフス)を用いて、AI検索における露出の計測方法や競合他社との比較、さらに代表的な4つの生成AI検索が回答を生成する際に参照しているWebサイトの傾向を分析した。
【ケーススタディ】NetflixはAI検索の回答で何回引用されているのか
AI検索の分析を行うにあたり、一定の知名度を得ているサービスの方が情報量が豊富だったため、動画配信サービス最大手であるNetflixをケーススタディとして調査した。

各種2つ数字を説明しよう。
AI 引用(上部)は、このドメインが AI 検索結果でリンクされた回数で、単なる言及は含んでいない。ページ(下部)は、このドメインからリンクされているユニークなURL の数を表示している。
AIによる概要

ChatGPTによる回答

AIの回答結果による露出度を計測していくには、各種生成AIによる引用数を定点観測していくことで、自社サイトの「存在感」を確認することは可能だ。
AI露出度比較(Netflix vs U-NEXT vs Hulu vs Amazonプライム)
日本市場における動画配信サービスの主要ブランドを比較してみよう。ここでは、先述のNetflix、U-NEXT、Hulu、Amazonプライムを競合他社として選定した。
AI検索における言及(メンション)数を比較

まず「メンション」という新しい指標だが、これは指定したブランド名が言及された数で、参照元としてのURLは表記されなかった数だ。一方で、先述した「引用数」はURLの掲載が条件となっている。ここでは「メンション数」で比較するのは、ブランド名の露出度を計測する方が「引用」よりもユーザー目線だと考えたからだ。
ブランドの右側「すべてのプラットフォーム」では、1位がNetflix、2位がU-NEXT、3位がHulu、4位がAmazonプライムとなった。直感的に主要ブランドの存在感が可視化でき、上層部へのレポートとして活用できるだろう。
ここで興味深いのは、各ブランドとGoogle以外の生成AI検索との相性が浮き彫りになっている点だ。例えば、ChatGPTにおいてはAmazonプライム(844件)がU-NEXT(733件)よりもメンション数が多く、2位である。Perplexity、Copilotでは、AmazonプライムがいずれもHuluを逆転し、3位である。
AIによる概要、AI Mode、GeminiはいずれもGoogle社のプロダクトなので、アルゴリズムが類似していても不思議ではないが、ChatGTPを始め他社のAI検索は、全く異なるロジックが存在しているため、これまでのようにURLをゴールとした分析だけでは動向を見誤る可能性がある。
次の章では、各AI検索の引用元の傾向について探っていきたい。
AI OverviewのAI検索参照ドメイン トップ25
言及数から見たユーザーへのインパクトはわかった。ここからは、サイト運営者視点に戻り、どのようにしたら言及されるのか?という本質的な問いを探るための作業を行いたい。
以下は、先ほどの4社の動画配信サイトの情報源として参照したドメインを回答数の多かった順にトップ25を列挙した。1位は、Google傘下のYouTubeである。2位はフィルムマークスという映画、ドラマ、アニメのレビューサイト、3位はアプリブという動画配信番組のレビューサイトと続く。業界軸のメディアだけでなく、ウィキペディアやノート(メディアプラットフォーム)、マイベスト(比較サイト)の総合サイトを参照している点は、Googleのアルゴリズムの特徴を表していると言えるだろう。

ChatGPTのAI検索参照ドメイン トップ25
1位は Reddit(レディット)という米国発の老舗の掲示板サイトだ。これはChatGPTのアルゴリズムの象徴と言えるし、日本でいう類似サービスのYahoo知恵袋が14位にランクインしていることからも納得できる。他にGoogleのAIOではトップ25になかったPRタイムズがあり、英語版のウィキペディアを参照していることは、言語の壁を超えて参照しているとも言えるし、日本語で情報収集をしたことの意図をまだ汲み取れていないとも言える。

PerplexityのAI検索参照ドメイン トップ25
Perplexity AI(パープレキシティ)のトップ25を見ると、AIOverviewとChaGPTでは見られた公式サイト(NetflixやAmazon)のURLがトップ25に入っていないことが特徴だ。1位がYouTube、2位がノート、3位に Yahoo知恵袋がエントリーしていることや、日本語サイトを参照していることから、言語を軸にローカル向けに調整をしていることが伺える。

CopilotのAI検索参照ドメイン トップ25
マイクロソフトのCopilotによる回答のトップ25は、Perplexityの参照ドメインリストと類似し、トップ25のうち18件がPerplexityのそれと重複していた。参照元にYouTubeがエントリーしていないのは、長年検索エンジンのライバルとして戦いを挑んできたマイクロソフト社の意地のようなものを感じる。もし、貴社がエンタープライズ向けにマーケティングを行うならば、マイクロソフト社の日本での法人シェアを考慮して、Copilotの上位の参照ドメインでの存在感を高めることも1つのアプローチと考えられる。

まとめ
本記事では、Netflixを事例にahrefsというツールを使ってAI検索での言及数と引用数を可視化した。また、競合他社との比較をすることで、ブランドによってAI検索との相性の良し悪しも存在することがわかった。今回は誰もが知っているB2C向けサービスを例にしたが、B2Bではまた違った結果になるであろう。また、ドメインだけでなくさらに各ページまで遡ることもできるので、実務ではもう一歩踏み込んだ対策が必要と思われる。