訪日外国人

世界で2番目に寿司を食べるフランスは、訪日フランス人YouTuberで空前の日本ブーム到来の予感

フランスは、日本の文化の虜になっている先進国の一つです。訪日フランス人は観光ビジネスに大きな潜在マーケットがあります。本記事は、日本訪問を望んでやまない現地のフランス人の協力を得て、私たちが気付いていない日本に対する認識や、10年周期で訪れる日本ブーム、現地で話題になっているYoutuberについて取材しました。

フランス人と訪日観光客
人口 6,633万人
首都 パリ
言語 フランス語
訪日数  253,400人(第14位)
1人当たりの旅行支出 189,000円(第6位)

日本政府観光局(JNTO)によると、2016年に日本を訪れたフランス人は25万3,400人で前年に比べ18%増加しています。ヨーロッパからの観光客数では、イギリスに次いで2番目の多さです。

今回は、フランス人のポレーヌさんに寄稿して頂いています。

新旧が融合する国、日本

日本は、物価が高くとても遠い国だという印象を持っています。重要な歴史文化財を保有しており、グローバル化の仲間入りをし革新的な成功を収めた国ですが、日本的なアイデンティティーを保ち続けている国として見られています。

日本の全てが清潔で、時間を遵守し、整理整頓されているだけでなく、安全に対する配慮が強いと思います。山ほどの最新のテクノロジーを生み出している一方で、全く役に立たないような機器が混在している飾り気のない生活スタイルをフランス人は評価しています。

日本という国は、現代と伝統が共存していて、その新旧の完璧な融合に魅了されます。伝統的な木造建築の家や素晴らしい日本庭園、古来の神道神社、そして近代的超高層ビル、混雑した道、平穏な湖、地平線に浮かぶ富士山を一日のうちに見ることができます。コントラストに溢れた情景が日本にはたくさんあります。そして、フランス人観光客たちはそれを愛しています。

ジャパン・エキスポの来場者数は25万人超え

ジャパン・エキスポは、毎年パリで開催される日本のポップカルチャーを紹介するコンベンションです。この種のイベントでは日本国外の最大級の規模で、参加者は年々着実に増加を続け、1999年の初開催時では3,200人が訪れ、2016年には25万人を超えるまでになっています。

ジャパンエキスポ来場者数推移
ジャパンエキスポ来場者数推移(出所:wikipedia)

10年周期で生まれる日本トレンド、2010年代は?

日本はフランス人にとって、とても興味をかきたてられる国です。

多くのフランス人は、1980年代後半からアニメや漫画を通して日本文化の存在に気付き始めました。1990年代は、主に任天堂やポケモン現象がきっかけになり、2000年代はインターネットの出現によって日本のテレビやポップミュージックがストリーミング配信を通じて流通するようになり、日本に対して新たな扉を開いたのです。

では、2010年代でフランス人たちが日本を人気旅行先にランクインさせるきっかけは何でしょうか?それはお寿司です。お寿司こそが人生そのもので、寿司は「粋」です。大げさに聞こえるかも知れませんが、フランス人にとってお寿司はアヘンのような中毒性さえ持っています。その味と健康志向から、特別で高い人気があります。それはフランスが、日本に次いで世界で第2番目にお寿司を食べていることがユーロモニターインターナショナル社の調査(カマンベールの国で普及するハンバーガーと寿司」(英語)によって裏付けられています。

10歳から35歳までのフランス人の若年層では、日本人が想像するよりも日本についてとても詳しいのが実情です。マンガ本とテレビ番組から派生したナルトやドラゴンボール、テレビドラマ、テレビゲーム、ポップミュージック、コスプレ、侍、芸者、相撲、武術、そして全ての先端技術と「カワイイ」雑貨。それだけでなく、日本のポルノやヘンタイといった単語で検索している人も多いです。19歳以下のフランス人の51%は、少なくとも1日に1時間は日本のアニメを見て過ごしています。(出所:Animefrance.fr)

これらが、日本が持っている伝統的な側面と最新のトレンドに出会う最初のきっかけになっています。自分たちが生きている世界とは全く違う体験を望んでいる10代の若者たちは、日本語を積極的に勉強し、その情熱で家族までも巻き込んでいます。彼らにとっては欠かせない存在なのです。そして彼らはその勉強をした後に、彼らの情熱や夢、日本愛を満たす為に観光で出かけます。また、中には日本に住む為に就労ビザや滞在ビザを取得しているフランス人もいます。

フランス人の日本人に対する印象

日本人について聞いたときに平均的なフランス人が最初に思い浮かべる印象は、カメラでしょう。 パリでの日本人観光客達はルーブル美術館を訪れ、極めて小さいサイズのトレンディな服装で、興奮してなんでもかんでも写真を撮ります。そんな姿を愛らしいと感じています。

フランス人の日本人に対する見方は、とても肯定的です。日本人は、とても礼儀正しく、勤勉、清潔、中立、有益、信頼できると思っています。

一方で、非常に厳格な文化に属していて、仕事中毒で縦社会の中で生きており、極めて冷静な面も持っていると感じています。

フランスにある日本旅行や日本文化に特化した主要メディア

フランスには、日本旅行に特化している「乾杯!」という現地のフランス語メディアがあり、フェイスブックページは日本ファンから30,000以上のいいねを獲得しています。その中でも、過去1年間で人気を集めたコンテンツを3つ紹介しましょう。

訪日フランス人向けメディア
乾杯 Kanpai!

スタジオジブリの歴史(いいね:797件)

フランス人向けメディアの人気コンテンツ(スタジオジブリ)

スタジオジブリの創世記が吉祥寺からスタートしたこと、最初は社員を雇わずオンデマンドのチームを形成して経営のリスク管理を行っていたこと、最初のヒット作から国際的な成功を収めるまでのストーリを紹介しています。

神戸牛を食す(いいね:593件)

フランス人向けメディアの人気コンテンツ(神戸牛)

神戸牛の原点である但馬牛(たじまぎゅう)の歴史から、ブームの牽引役を担ったオバマ大統領やバスケットボール選手、一番美味しい食べ方、フランスとの関わりについて解説しています。

神道について(いいね:373件)

フランス人向けメディアの人気コンテンツ(神道)

宗教の一つだと認識されることがある神道について、これは日常生活に溶け込んでいる一種の儀式であり、お祭りや神社での作法、お花見の行事等の側面から日本人の精神性について踏み込んでいます。

フランス人観光客の特徴

フランス人は旅行が大好きです。素晴らしい休暇を過ごす為に、1年を通じて節約します。そして行先を決めるポイントは3つあります。

  • 第一に、実利面な側面(距離、価格、言語)
  • 第二に、文化面な関心(訪問地、食、景色)
  • 第三に、アクティビティが体験できること(パーティ、お祭り、買い物、ハイキング、サイクリング、水泳)

大抵のフランス人は、旅行会社を利用するより個人旅行をする傾向にあります。それは、主体性を保ちつつ人混みを避けて、その国の文化に入り込んでいくためです。フランス人旅行者は、人と違うことをしたい旅行者と特定の目的を持っている旅行者と2つのタイプに分けることができます。

若い旅行者達は、 英語を駆使してバックパッカーとして動き回り、混雑した観光地を避けていきます。限られた予算で旅ができるように、地元の交通機関を使用します。

家族連れと50歳以上の旅行者達は、旅行をする為の時間とお金があります。彼らは、人里離れたような遠い場所を好まず、カルチャーショックやコミュニケーションが取れないことを懸念していて、言葉の問題で自分たちのことを理解してもらえないことを恐れています。彼らは、ツアー会社を選ぶか、海外に出ずにフランス周辺の地域に固執します。

全てのフランス人達は、一般的に日本が持っている多面的な姿に興奮し、喜んで訪れています。ここでは日本訪問の4つのパターンを紹介しましょう。

訪日フランス人の人気ルート 

「現代と伝統のブレンド」 15日間ツアー 

東京(明治神宮-新宿-浅草-上野公園)-箱根(富士山-芦ノ湖-大涌谷)-諏訪-松本-高山-飛騨-古川-白川郷-金沢-京都-奈良-高野山-姫路-広島-宮島-倉敷-大阪

「日本の南を周遊」

福岡-大宰府-別府-阿蘇山-鹿児島-熊本-屋久島-桜島-那覇-西表-石垣-竹富

「日本の定番観光地を抑える」トリップアドバイザー上位12位

東京-京都-大阪-札幌-福岡-広島-白馬-那覇-横浜-神戸-名古屋-港

「巷のメディアで話題になっている観光地」

東京と建築物-京都と庭-本州と山々-姫路と城-直島と美術館-箱根と富士山-沖縄とビーチ-宮島と寺院-嵯峨野と竹林

まだ旅行者は少ないが、人気上昇中のスポット

和歌山-金沢-日光-東北-秋田-青森-佐渡-上高地-秩父-四国-鎌倉-北海道-高野山-八重山諸島。

まず、東京に到着しそこから大阪へ戻る時に出来るだけ多くの場所を訪問することをお勧めしている傾向にあります。

日本人なら知っておきたいフランスで話題の日本愛好家による超人気動画

フランス人Youtuberによって制作された動画をいくつか紹介してこの記事を締めくくりましょう。

投稿者:シプリアン、フランス人Youtber ナンバーワン
視聴実績:日本パート1(1,600万回〜)

投稿者:シプリアン
視聴実績:日本パート2(900万回〜)

他にも、日本のブログや在日フランス人のチャンネルや動画が山ほどあります。

ほとんどの視聴者が10歳から20歳までの10代と仮定すれば、成人となり海外旅行をするまで日本文化の虜となっていくことで、訪日フランス人の観光マーケットが巨大化することが簡単に想像ができるでしょう。上で登場しているシプリアンのようなフランス人がまさに代表的な人物と言えるでしょう。

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ポリーヌ・ファゴット

パリ大学を卒業し、現在フランス語の教師を務めている。数年前から日本旅行に強い関心を持ち、訪日を計画中。

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